ノラと呼ばれた男【壱】
この、張り詰めた空気や、
鉄臭さも、
愛しいと思えた――――――。
もう既に汚れている手だからこそ、
汚れる事を躊躇わないで済む
‘’俺‘’は‘’俺‘’にしか出来ない事があるし、逆に‘’私‘’には‘’私‘’にしか出来ない事がある、
だから、どっちの自分も捨てれない
ノラの俺と。
普段の姫川一華の私。
まぁ、だからさ?何が言いたいかと言うとさ、
(今回は当たりだったな、こっちの‘’姿‘’で
お陰で暴れられたし、さ)
そう内心で呟くのと同時に、死体が三人、床に転がった。
あ、間違えた。死にかけてる三人、かな?←
女に振られ、俺に殺られてご愁傷さまです。俺に勝てるわけねぇだろバーカ