ぜんぶ抱きしめて。〜双子の月とキミ〜


「なに『信じられない』みたいな目してんだよ」


頭のてっぺんを優しく拳でコツンと小突かれた。


「今叩いた!」

「叩いてないだろ。人をDV夫みたいに言うなよ。人聞きの悪い」


わかってる。今のはふざけただけだよね。全然痛くなかったし。そんな風にじゃれあいながら登校できるなんて、本当に幸せだなあ。二人でいられる幸せを噛みしめながら、学校への道を一歩一歩歩いた。


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