気づいたら、溺れてた。
私にどうこうできる問題じゃないのは分かってる。






「兄貴は来月結婚するんだよ、
香菜さんと。」






『結婚っ?…』








結婚するんだ…
そんなの知らなかったよ。






どこかで分かっていたのに、実際に聞くとすごく悲しい。





『要くん、きっと幸せだね?』






私は何も出来ない。





「そんなに兄貴が好きかよ」






好きだよ。
大好きなの、小さい頃から。






『っ…』







「泣くなよ。
あんな奴ほっとけよ。」





ほっとけなんて無理だよ。
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