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ブーッ

机の中のスマホがまた鳴った。

また『荒らし帝國』からかな?

机の中に手を入れて、
スマホを確認しようとした時だった。

またしても、隣の久喜君から視線を感じた。
私が隣を見ると久喜君が今度は険しい顔つきで、
首を左右に振った。


???

どういう事?


私は訳も分からず、
スマホを机の中に入れたまま、
手を机の上に戻す。



チラリと久喜君を見ると、
私に向けたような険しい顔で、
廊下側の席の斜め前、
とある男子の席を見ていた。

「おい!!そこ!どこ見てるんだ!!!」

びくっ・・・!

我に返って視線を久喜君からそらして、
恐る恐る、正面の黒板に視線を戻す。

せ・・・先生、よそ見してすみませんでした!
ゆ・・・許して・・・みんなの前で式を解かせるのは、

マジで勘弁して下さ・・・


「久喜!!よそ見してるなら、この問題解いてみろ!!」

数学教師のハゲ山こと中山先生が、
よそ見をしている久喜君を指名して式を解かせた。


なんだ・・・・私じゃなくて久喜君だったんだ・・・

よかった。全然わからなかったから、
私だったらきっと困っちゃってたよ・・・



ほっと胸を撫でる私とは裏腹に、
久喜君はよそ見をしていたとは思えない程、
完璧な答えを板書して、また椅子に座った。
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