独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
恥ずかしくはあったけれど、私は今の気持ちを素直に言葉にする。
「遼とまだまだ一緒にいて良いんだって思ったら、嬉しくて」
彼は数秒目を大きくさせたあと、私へと手を伸ばしてきた。ちょっぴり乱暴な手つきで頭を撫でてくる。
私も慌てて彼の手を払い除けようとしたけれど、目が合った瞬間、彼に目を逸らされてしまった。
「お前、本当に……」
そして、恥ずかしそうに言葉を濁した。
遼の照れている様を目の当たりにし、私の顔はさらに熱くなっていく。
「今日これからと、明日。麻莉のしたいこと叶えてやる。何でも言え」
「……え? 私のしたいこと?」
「あぁ。お前の喜ぶ顔が見られるなら、どんな我がままでも聞いてやる」
余裕たっぷりに笑って見せてから、遼がアクセルを踏んだ。一気に家が遠ざかっていく。
「どうする?」
「……えっと……どうしようかな……えーっと」
「特に無いなら、俺が適当に考えるぞ」
「待って待って! 適当なんて嫌! 私に決めさせて!」
キスの余韻も冷めやらぬうちに、ドキドキする言葉をたくさん囁きかけられているというのに、冷静に物事を考えられるわけがない。
今日、それから明日。遼とふたりで過ごす初めての休日。不安はなりを潜め、期待ばかりが大きく膨らんでいく。
どきどきと鳴り響く鼓動を感じながら、私は幸せを噛みしめていた。