独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
一昨日の夜。遼から小包が届いたのだ。
驚きながら開封すれば、中には大粒のダイヤモンドのピアスが……今私が付けているこのピアスが入っていたのだ。
すぐに電話をかけると、慌てふためく私に彼はなんてことない口調で言った。「麻莉に似合うと思ったから。今度のデートでつけて、俺に見せて」と。
私は胸元に手を当て、ほほ笑んだ。
あの優しい声を思い出しただけで、こんなにもドキドキしてしまう。
お見合いの件が一段落した今、恋人のふりなんてもうしなくてもいい。
遼だってそんなこと分かっているはずなのに、彼が以前よりも甘く優しく、接してくれることに……私はどうしても期待してしまう。
もしかしたら、彼も私のことを特別だと思ってくれているかもしれない。
カレンダーを見て、今夜、電話してみようと私は思いを強くする。
今日は木曜日。遼は明日、金曜日に出張から戻ってくる。
土日、彼の予定は空いているだろうか。私と一緒に過ごしてもらえないだろうか。
断られたらと考えたら少し怖くなってしまうけど、だからと言って、彼に会いたいという気持ちを抑えることも出来なかった。