独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
4章、
1
走り出した車は私の家の前で止まることもなく、そのままスピードをあげていく。
そして十五分後、車は遼が借りているプライベート用のマンションに到着し、私たちはそのまま高層階に位置する彼の部屋へと移動する。
清掃会社に頼み、部屋の掃除を喜多さんにお願いできることになったという遼の話で盛り上がりながら、エレベーターから廊下、そして玄関から室内へと進んでいく。
廊下を過ぎれば、十五畳あるだろう広いリビングがあり、リビングの東側にはもう一部屋、遼の仕事部屋に繋がるドアが見えた。
遼はローテーブルの上に鍵を置き、やっと一日が終わったというように長く息を吐く。
身体の力を抜きリラックスする遼と同じように、私も張りつめていた気持ちが楽になっていくのを感じた。
ここを訪れるのは三回目ではあるけれど、この一室は私にとっても落ち着ける場所になりつつあるのかもしれない。
彼と同じようにホッと息を吐けば、自然と足がソファーに向かっていく。