独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
「私、遼が好きなの。本物の恋人になりたい。遼に愛されたいの。こんな私をすべて受け入れてもらえますか? 後悔しませんか?」
自分の気持ちを伝えきると、遼の手が私の頬を撫でた。彼がわずかに首を振る。
「後悔なんてするわけないだろう」
少しだけ怒ったようにも聞こえるきっぱりとした返事に、涙が込み上げてくる。
思いがしっかりと繋がったことを感じ、心の中で嬉しさが広がっていく。
「西沖家の後ろ盾? そんなの必要ない。むしろ邪魔だろ。欲しいと思う女も、結婚したいと思う女も麻莉だけ。俺は麻莉が欲しい。不安に思うことはすべて跳ね返してみせる。だから何も心配せず、無邪気に俺に甘えていればいい。幸せにしてやる」
最後に彼は微笑みを浮かべ、私にキスをした。
「愛してる」
優しくて暖かい彼の甘い囁きに、涙が零れ落ちていく。
彼の身体を引き寄せて、瞳を閉じ熱い口づけを受け止める。
幸せを噛みしめながら、私は笑みを浮かべた。
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営業時間を終え、入口に立てておいた店の立て看板を店の中に運び込もうとしていると、掃除を終えたアルバイトの女の子がゴミ袋を手に歩み寄ってきた。