独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます


「忙しかったですね、疲れました」

「そうだね。今日もパンケーキ、売れたもんね」


デザート系に力を入れろと上から……たぶん遼から指示があったらしく、パンケーキの改良を重ねた結果、もっちりとした生地に濃厚な生クリームとカスタード、ふんだんに添えられた苺、そしてなにより、見た目の可愛らしさが女心を掴み、売り上げが跳ねあがったのだ。

倉渕物産での仕事も山のようにあるだろうに、遼はこの店のオーナーとしての役目もしっかりとこなし、こうして結果に結びつけてもいる。

昔から優秀だった。勉学からビジネスへとステージがかわっても、彼の秀逸さは際立ったままだ。

遼の本物の恋人になれてから二週間が経った。

仲が深まれば深まるほど、どんどん彼の良さが見えてきて、そのたびもっともっと好きになっていく。

容姿端麗で仕事もできて、面倒見が良くて実直で、すべてに置いて完璧な男性である遼に愛しさだけでなく尊敬の念も抱いている。


「西沖さん、今彼氏のこと考えてますね」


アルバイトの女の子がうっとりとため息を吐きながら、そんなことを言ってきた。

遼のことを考えていたのがなぜバレたのかと目を大きくすれば、アルバイトの女の子が私の首元を指さしてきた。


< 169 / 220 >

この作品をシェア

pagetop