独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
その動作で、自分が無意識のうちにネックレスを触っていたことに気付かされた。
「それも彼氏からのプレゼントですよね。いいなぁ。ハイスペック彼氏」
彼女の鋭い洞察力に、つい苦笑いを浮かべてしまう。
言われた通り、これは遼が私にくれたものだ。
以前もらったピアスをつけてデートをしていた時、貴金属店のショーウィンドウに飾られていたこのネックレスに視線がとまった。
可愛いなと思いながらも足を止めることをせず、そのまま通りすぎようとしたけれど、遼が私の手を掴み取り、店内へと進路を変えたのだ。
ピンクダイヤモンドを中央にあしらったフラワーモチーフのそのネックレスは、可愛らしいだけでなく、高級感もしっかりと漂わせている。
値段は私の給料一ヶ月分でも全然足りないけれど、店員と少しの会話を交わしたのち、遼は「いいね。これ麻莉に似合う」と満足そうに笑い、さらりと購入を決めたのだ。
突然のプレゼントに戸惑いを隠せない私を見て、遼は「気に入らなくても、そのうち絶対気に入るから。受け取れ」と言った。
あくまでもこの買い物は俺の意志だと主張しているけれど、きっと私が物欲しそうな顔をしてしまっていたのだろう。だから彼は私に買ってくれたのだ。