独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます

これから私が暮らす場所。

ピアスから洋服、バッグ、靴、ネックレスからの……家。

遼が私に家まで与えようとしていることを知れば、物件の情報の記された紙を持つ手が震えてしまう。


「ドン引きされてますよ。仕方ありませんね。今以上に、麻莉さんのプライベートに干渉する気満々なのが透けて見えますからね。ほのかな狂気を感じます」


中條さんに茶化されて、遼はムッと顔をしかめた。その顔のまま、気持ちをうかがうように私を見た。思わず苦笑いしてしまう。


「狂気なんて感じてないけど……でも私、今の家に満足してるから、引っ越す必要なんてないよ」


物件情報の紙を遼に返そうとしたけれど、すぐに手を押し戻されてしまった。


「俺が借りてるあの部屋、最近手狭に感じるんだよ。だから引き払って、もう少し広いところを借りようと思ってる。で、これが候補」

「……なんだそう言うことか。びっくりさせないでよ!」


新しい部屋を決めるのに、私の意見を参考にしたいと言うなら話は別だ。私は意気揚々と物件情報に視線を落とした。


「広いねぇ」


今彼が借りている部屋は1LDKだけど、受け取った紙に書かれている部屋は全て3LDKである。


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