独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
これから遼と会ったら、ふたりはどんな態度を取るのか、正直不安である。
ため息を吐きつつ、私は鏡へと視線を戻す。
ナチュラルメイクで透明感を、髪も三つ編みのハーフアップで可愛らしく、そして小花模様のワンピースも合わせれば、私の希望通り清楚な感じに仕上げてもらうことが出来た。
鏡に映る自分を見つめホッとしながらも、背後にうつり込んでいる派手な美紀に苦笑いする。
彼女もきっと、希望通りに仕上がっているのだろう。
今日はバッグは誰にも渡さず、自分の足元にずっと置いたままである。それを掴み上げ、スマホを取り出した。
時刻はもうすぐ一時半になろうとしている。今頃、遼はこちらに向かう車の中だろう。
どの辺りにいるだろうか。あとどれくらいでホテルに着くだろうか。
早くこの部屋を出て遼と合流したい。
そんなことを考えていると、タイミングよくスマホが遼からのメッセージを受信する。
“道路が混んでる。少し早めに到着する予定だったが、ギリギリになるかもしれない”
気持ちが通じた気がして思わず笑顔になってしまう。
“文句は受け付けない……が、ロビーで俺を待っているなら、少しだけ聞いてやってもいい”
続けて送られてきたメッセージを読めば、すぐににやりと笑っている彼の顔が頭に浮かんでくる。
ちょっぴり笑ってしまえば、美紀が「どうしたの?」と私に声をかけてきた。