独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
遼が好き。これからもずっと一緒にいたい。
でも望んでるだけじゃダメだ。このままじゃその希望すら失ってしまうかもしれない。
ここで諦めるわけにはいかない。負けるわけにはいかない。
私を大事にしてくれている遼のためにも、私たちに力を貸してくれた人たちのためにも、なにより自分の望む未来に近づくためにも。
私は顔を上げ、美紀と斉木さんの様子をうかがう。
そうだ。相手は女性ふたりだ。隙をつけば、振り切ることだってできるはず。まだ諦めるのは早い。
それにはやはり手を縛っている紐が邪魔だ。いざ行動に移そうとしても、妨げになってしまう。
紐を緩めることが出来ないかと、ふたりに気付かれないように背中で両手動かしてみる。
ぴりっとした痛みが手首に走った。確認することは出来ないけれど、今まで散々暴れていたのもあり、紐が擦れて肌が赤くなっているのだろう。
それでも構わない。例えどれだけ腫れあがってしまおうが、両手が自由になればチャンスを掴むことだって出来るのだから。
縛りつけられている時も反抗していたのが幸いしたのか結び方が甘かったようで、徐々に紐は緩んできている。
このまま頑張れば右手の拘束が解け、自由になるかもしれない。