独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
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カーテンの隙間から差し込む月明かりが、眠る遼の顔に優しく触れている。
手を伸ばし、その綺麗な頬にそっと触れ、私は微笑みを浮かべた。
新しく部屋を借り、暮らし始めてから三日が経とうとしている。
新しい部屋にはまだまだ馴染めずにいるというのに、こうして一つのベッドで遼と寄り添っているためか、眠れないという心配だけはしないで済んでいる。
素肌を密着させて彼の体温を感じ取れば、心が幸せで満ちていく。
私は寝ている遼の顔に自分の顔を近づけて、その綺麗な唇にキスをした。
「……なんだよ。まだ物足りない?」
寝ていたはずの遼がゆっくりと目を開け、口元に笑みを浮かべた。
「ごめん。起こしちゃった」
「良いよ、起こして。大歓迎」
言いながら、遼が私に覆いかぶさってくる。
「遼、待って。違うから! 物足りないとか、そんなんじゃ……っ」
キスで言葉を遮った後、遼がキスの雨を降らせてくる。
額に頬、唇から首筋へと、ひとつひとつじっくり丁寧に順を重ねていく。
遼の身体を押し返そうと彼の胸元に手を突き、私はほんの一瞬、眉根を寄せた。
「大丈夫か?」
すぐに遼はそれに気付き、私の手を優しく掴み取った。