独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
ぴくりと身体が反応してしまう。
甘ったるい声を発してしまった私の口は、彼の唇で塞がれてしまう。
「俺を信じて全て委ねて。誰の手からも、麻莉を守り抜いてみせるから」
うっすらと涙で滲む視界には、倉渕君の真剣な顔。
築いてきた関係が壊れてしまうことが怖かったはずなのに、このまま彼の腕の中にいたいと思ってしまう。
口づけを交わし続けたいと願ってしまう。
思いはどんどん膨らんでいく。
「……遼」
初めて、彼を名前で呼んだ。
声が震えているのは、名を呼んだことへの緊張感だけではない。
こんな風に彼と触れ合えていることに、私は喜びを感じていた。
心の奥底では、彼との関係を壊したいと思っていたのかもしれない。
女として、見て欲しかったのかものかもしれない。
彼の熱い口づけを必死に受け止めながら、ぼんやりする頭で私はそんなことを考えた。