独占欲全開で、御曹司に略奪溺愛されてます
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用意されたワンピースに着替え、喜多さんにメイクをしてもらい、斉木さんに乱暴な手つきで髪を結い上げられたあと、私は一階へと連行される。
玄関先にはすでに父と母、そして妹までも揃っていた。
「お姉ちゃん可愛いー!」
私に気づいた妹が明るい声を上げた。
褒められたけれど、それを素直に受け取ることができず、私は苦笑いを浮かべるだけにとどめた。
「私もお姉ちゃんみたいな上品なワンピース着たかった! 私、すごい地味。負けてる」
妹もワンピースを着ていた。
私のワンピースと自分が着ている紺色のそれを見比べながら、妹は不貞腐れた顔をする。
「あなたはそれでいいのよ」
母が微笑みながら、優しくそう言った。
付き添いとして行くのだから、普通に考えれば、お見合いする当人よりも目立ちたいなどという言葉は出てこないと思う。
けど妹は違う。
妹はなにかと昔から私と張り合おうとするところがあるのだ。
張り合うだけでなく、優位に立っていなくちゃ気がすまないから始末に悪い。
案の定、妹は納得のいっていない様子で、自分のワンピースを見ている。
「お車の準備が整いました」
さっと脇に控え、報告してきた家政婦に、父がしかめっ面で頷き返した。