その王子様、結婚してるってよ!


「コピー終わりました。」


「さすが花咲さん、仕事が早いわ。
配属された新人が、役に立つ花咲さんで良かった!」


「でもさ~、花咲ちゃん。
もうちょい笑ってくれたら嬉しいなぁ〜。
眼鏡もコンタクトにかえて、メイクも少ししてみたら?
女子力アップだよ。」


私の指導係の山崎先輩と、チャラい田川先輩の会話。

山崎先輩は、とっても厳しい三十路の女子社員。

お局様と陰で言われているが、仕事が早く丁寧で私は尊敬している。

以前は、秘書課と総務課を渡り歩いたこともあるベテランだ。

田川先輩は、営業2課だったがそのチャラさから庶務課に異動。
その実力は不明…


「あら田川、可愛ければ女子力があると思ったら大間違いよ?
花咲さんと同期の新人女子社員二人…あれは最悪よ。
営業2課と総務に配属されたけど、仕事はできない、いつもキラキラしてる、体臭は酷いってなったら、ただの給料泥棒じゃない。
会社と合コン会場の区別ができてないのよ。」


ズバッと言った山崎先輩に、田川先輩も苦笑いで口を噤んだ。

私と同期の女子二人は、とっても可愛らしい。
メイクもネイルも完璧で……山崎先輩が言った体臭とは、香水なんだけど。

いつもいつも、香水のいい香りが…臭い

そして、女豹のように男性社員を物色してる。


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