許婚のいいなり
こうきの手をふと見やると、プルプルと震えていた。
ウチに何ができることは無いかと色々考えてみたけど、こうきの心の傷の深さは、ウチが慰めたって消えはしないと思った。唯一、ウチにできることはこうきの話をしっかり受け止めてあげることだと思う。

「ついさっきまで、この目はすごく、恨めしかった。いっそくり抜いて焼いてやろうって思ったぐらい。だけど、せんりが綺麗って言ってくれて、とても嬉しかった」
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