許婚のいいなり
「なんかオススメの本ってある?」
「んー、そうだなぁ…」

少し考えるしぐさをして、やがてぽんと手を打つ。

「そうだ、せんりはファンタジーって好き?」
「ファ、ファンタジー?うん。好きだけど」
「なら、俺が今読んでる本読んでみるといいよ!すごく面白くて、何回も読み返してるんだ」

目をキラキラさせて本の話をするこうきは、ちょっとだけ幼く見える。
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