許婚のいいなり

「俺…笑ってる？」

驚いた顔でウチを見る。

「うんうん。さっきの本の話もすごく楽しそうに話してたし、目がキラキラして子供みたいだったよ」

ウチがクスクス笑うとこうきも静かに微笑んだ。

「小説家、なりたいんだよね？」
「…うん」
「もう考えたんだよね？」
「うん」
「じゃあ、さっきの事なんか気にしないで、ウチも出来ることなら手伝うから」