許婚のいいなり
「こんなお店好きだなぁ」
「そう?それならよかった。じゃあ、入るよ?」

元々綺麗に手入れされていただろう窓ガラスも、今はホコリをかぶって汚れている。
木製の扉は相当傷んでいて、簡単に壊れそうだった。

そんな扉をギギィと音を立てながらゆっくり開けるこうきは、繊細なガラス細工を扱うようにゆっくりと開かせる。

「おじさーん、こうきだけど?いるー?」
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