君は生徒、愛してはいけない
「それだけはだめ、、っ」
「やっぱり内緒にしてんのか。」
「あたしお店はやめない。
でも家族には言わないで。お願い、、」
青山が今日初めてちゃんと目を見てくれた気がした。
端整な顔立ちが月明かりに照らされている。
「じゃあお前が店やめるまで毎日説得しにいくぞ」
「、、言わないで。家に電話もしないで」
「わかったよ、家族には言わないって」
かなり切羽詰まったような青山を見て、何か理由があるようで少しかわいそうになってきた。
その代わり本当に毎日店に説得しに行く決心をした。
青山の家は和風の立派な一戸建てで、意外にも俺がいつも通勤で使う道の途中にあった。
今までバイクで通勤していたので気がつかなかった。
「夜遊びすんなよ」
「しないよ」
家の前まで来て別れようとした時、ふと今朝のことを思い出した。
「あ、青山」
玄関のドアに手をかける青山が振り返る。
「お前、なんかあったら言えよ。
いつでも聞くから」
青山は返事もせず家の中に入って行ったーーーー