君は生徒、愛してはいけない


家にあがると、早速いい匂いがした。


ハンバーグだ。


「あら先生、おかえり」

おばあさんは最近、いらっしゃいではなくおかえりと言ってくれるようになっていた。


「ご飯食べましょ、華ちゃん呼んで来てくれる?」


俺はふたりのプレゼントが入ったかばんをソファの横に置いて、華を呼びに2階に上がった。


部屋の扉は開いていて、中を覗くと華は机に向かって一生懸命何かを書いていた。


華、と呼ぶと、華はびくっとして書いてたものを腕で必死に隠した。

「ノ、ノックくらいしてよ!」

「、、扉開いてたから。何書いてんの」

後ろから覗き込むと、華はそれを机の引き出しに素早くしまった。


「、、女の子の秘密だよっ」



そう言うと華は部屋の電気を消して1階へ逃げていった。



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