君は生徒、愛してはいけない

「先生、あけてもいいかしら」

おばあさんは華とよく似た可愛い顔で聞いてきた。

「はい、気に入って貰えたら嬉しいです」

おばあさんは丁寧に包装をとって、俺が選んだセーターを広げた。


「まあ、、」

おばあさんはしばらくセーターを見つめて、泣きながら何度も、ありがとう、ありがとうと言ってくれた。

おばあさんの顔を見てほっとしてビールを手に取ると、華が2階から降りてきて来た。


「これ、あたしとおばあちゃんから」


そう言って小さな箱と可愛らしい封筒を差し出して来た。



俺は差し出されたそれらを手に取って、箱を開けてみると、中には時計が入っていた。



「、、これくれんの?」


「先生に内緒で華ちゃんと買いに行ったのよ」

俺は予期せぬふたりからのプレゼントに、泣いてしまった。



「泣かないでよ〜」

おばあさんと華は笑いながら俺にはハンカチを差し出した。


「手紙は1人の時に読んでね」


「、、うん、ありがとう。
おばあさんもありがとうございます。」


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