君は生徒、愛してはいけない
元旦が終わり、2日と3日は実家に帰った。

おせちを食べる俺の左腕を見て、母親が言った。


「渉、時計買ったの?」

俺は突然の質問になぜか戸惑って、食べたものを詰まらせた。


「うそでしょ、彼女できた!?」

咳き込む俺の背中をバシバシ叩きながら、母親が嬉しそうに言った。


「痛いって」

俺はお茶を一口飲んで落ち着いた。


なにをテンパっているんだ、母親相手に。


「そんな人いるなら早く紹介してよ〜学校の先生?」

「違うよ」

学校の生徒。


、、、とはさすがに母親でも言えない。

「なんだ楽しそうだな。お父さんも混ぜろよ」

興味津々で父親が寄ってきた。

母親が一連の流れを話すと父親もそうかそうか、とにやにやしながらお茶を飲んだ。


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