君は生徒、愛してはいけない
「なに、恥ずかしいからあんまり見ないで」
俺の視界は華の小さな手によって真っ暗になった。
俺はいま、華とふたりきりで誰も知らないところに居る。
華の膝の上に寝転んでいる。
華の手が、俺の顔に触れているーーーー。
俺は華の手首を掴んで、自分の顔から離した。
華の手首を掴んだまま、もう一度華の顔をじっと見つめた。
本当にこの世のものなのか、と思ってしまうほどに整った顔立ちだ。
肌が白くて、ガラスのように透き通った瞳。
いつまでも見ていたい。
「、、見ないでって」
華は照れ臭そうに言った。
気が付けば俺の手は、華の手首を離して華の頬に指先で触れていた。
「可愛い」
心の声が漏れてしまった。
華は顔を赤くして、そのあとはなにも言わなかった。