君は生徒、愛してはいけない

夕方に遊園地を出て、哲平と麻美と解散した。


「華ちゃん、困ったことがあったらいつでも言ってね。渉に泣かされたらいつでも連絡しておいで」

「へへ、ありがとう」


麻美と哲平はそう言って帰って行った。


華は帰り道、先生が2人増えたみたいと言って喜んでいた。


家に帰ると、おばあさんがごちそうを用意して待っていた。

「おかえり、楽しかった?ご飯食べましょ」


3人で夕飯を食べて、食後にバースデーケーキを食べた。



「華、これプレゼント」

そう言って綺麗に包装されたそれを華に差し出すと、華は驚いたような顔で俺を見た。


「遊園地も連れてってくれたのに、、先生ありがとう。
開けてもいい?」

華は予想外だ、と言う顔で目を輝かせていた。


「いいよ」

プレゼントの中身は、華の好きなミュシャの画集だ。


「わー!嬉しい!ありがとう」

華はとても喜んで、おばあさんも微笑ましそうな顔をして俺たちを見ていた。

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