君は生徒、愛してはいけない

3人で今日の思い出話をたくさんして、俺はかばんを持って立った。


「じゃ、今日はこれで帰ります。
ごちそうさまでした」


「気をつけてね、先生いつもありがとうね」

おばあさんはいつもこう言って玄関まで見送ってくれる。


俺は青山家をあとにして、自宅までの帰り道を歩いた。

今日の華はずっと嬉しそうだった。


喜んでもらえてよかった。


「先生」

聞き覚えのある愛おしい声に振り返ると、華はかばんを持って追いかけて来た。


「どした?」

俺の忘れ物でも届けに来てくれたのかと思ったが、思っていたのと全然違う答えが返ってきた。


「、、お話があるんだけど、ちょっとだけお家行ってもいい?」


話?

今日あんなに楽しそうだったのに、何か悩みでもあるのか。

「いいけど、、どした?」


「あとで」


そう言って華は自宅まで、俺の隣を歩いてついてきた。


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