君は生徒、愛してはいけない
4月になった。
生徒たちが春休みの中、教師は新学期の準備等で毎日それなりに忙しい。
今年は、新しい先生が2人入って来た。
大学新卒の22歳、
数学の福野 雄二(フクノユウジ)と国語の島田 香織(シマダカオリ)
俺と松本先生は年が近かったからか、すぐに2人と仲良くなった。
新学期が始まるまでに4人で何度か飲みに行った。
生徒たちより一足先に、俺たち教師はクラス分けや担任を知る。
俺は3年の担任を引き続き受け持つことになったものの、華は俺のクラスではなかった。
俺は3年3組、華は隣の3年4組。
松本先生のクラスだった。
俺のクラスには島田 香織、
松本先生のクラスには福野 雄二が副担任についた。
「中村先生、1年間よろしくお願いします」
島田は小柄で真面目な性格だ。
「こちらこそよろしく」
福野は俺と同じくらいの身長で、松本先生の隣を歩くのがよく似合う、端整な顔立ちだった。