君は生徒、愛してはいけない

今日の夜は、新入り教師の歓迎会があったので華には家に行けないとメールで伝えていた。

華からは誕生日なのに、と返事が来ていた。


俺と華は学校ではほとんど会話をしなかったので、俺と華とおばあさんの事は誰にもバレていなかった。



仕事を終え、みんなで駅前の居酒屋に向かった。

人数は結構いたが、俺と松本先生、福野、島田は4人固まって座った。


「どうだった?初めての生徒たちは」


乾杯を終え、いい飲みっぷりの松本先生が副担任2人に聞く。

俺と松本先生は向かい合わせで、福野は松本先生の隣、島田は俺の隣に座っていた。


「すごく緊張しました、、」

酒の飲めない島田はウーロン茶を飲みながら、また真面目に答えた。

「まあ、すぐ慣れるよ。
福野くんは?」

松本先生が言うと、福野はビールを飲み干してから明るい顔で言った。

「僕は去年まで塾の講師してたんであんまり緊張はなかったですかね〜
あっ、でも一番前の席の子が可愛すぎてずっと見ちゃいました」


笑っている福野が言うその一番前の席の子が誰なのか、俺はすぐにわかった。


< 137 / 215 >

この作品をシェア

pagetop