君は生徒、愛してはいけない
午後6時のチャイムが鳴り、俺は職員室に戻って来た先生を呼び止めた。
「本田先生、ちょっと聞きたいことがあるんですが」
青山の1年の時の担任だった本田先生だ。
「青山華のことなんですが、彼女って、、」
「あぁ、青山さんな。
入学して夏くらいまではすごく明るい子だったけど、お父さん亡くなっちゃってから大変みたいだな。
おばあちゃんと2人暮らしだし」
「え?」
「彼女んとこは父子家庭だよ、お母さんは確か青山さんが小さい時に亡くなったとかで」
どんどんつじつまが合って行く。
青山の顔を思い浮かべるととてつもなく胸を締め付けられた。
「ありがとうございます、お疲れ様でした」
仕事はまだちょっと残っていたが、持ち帰ってやることにした。