君は生徒、愛してはいけない


5月になって、福野と島田はだんだん学校生活に慣れてきたようだ。


俺は華と学校で顔を合わさない日が増えた。

担任ではなくなったからだ。


去年よりもおばあさんの電話を心待ちにしていたが、仕事が忙しく、俺の誕生日の日からなかなかご飯を食べにいけなかった。

俺からもおばあさんに電話をかけた。

会いに行けなくても、おばあさんの声を聞くとなんだかホッとする。


華はたまにメールをくれる。

今日学校でこんなことがあった、とか、
その日の晩御飯の写真とか。

他愛のない話だ。

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