君は生徒、愛してはいけない
だんだんイライラして来た俺は、だめだ、落ち着け、と自分をなだめた。
職員玄関の横の手洗い場で顔を洗っていると、かばんを持った松本先生が階段を駆け下りて来た。
「中村くん、飲みに行こうよ」
本当に俺を心配してくれているのだと、松本先生の顔を見ればわかった。
「、、僕本当に情けないですね。
すみません」
「大丈夫、誰にでもそんなときあるから!いこ!」
松本先生は俺の背中をパシッと叩いて靴を履き替えた。