君は生徒、愛してはいけない

だんだんイライラして来た俺は、だめだ、落ち着け、と自分をなだめた。

職員玄関の横の手洗い場で顔を洗っていると、かばんを持った松本先生が階段を駆け下りて来た。


「中村くん、飲みに行こうよ」

本当に俺を心配してくれているのだと、松本先生の顔を見ればわかった。


「、、僕本当に情けないですね。
すみません」

「大丈夫、誰にでもそんなときあるから!いこ!」

松本先生は俺の背中をパシッと叩いて靴を履き替えた。



< 146 / 215 >

この作品をシェア

pagetop