君は生徒、愛してはいけない
俺は松本先生とふたりで、いつもの居酒屋に居た。
華のことは話さなかったが、松本先生と話していると心のモヤモヤがどんどんとれて、2時間も経たないうちに俺は結構酔っ払ってしまった。
でも俺はどんなに酔っ払っても女性は絶対に家まで送る。
「あんまり溜め込んじゃだめよ」
「、、松本先生が生徒によく相談されるの、なんか分かる気がします」
俺と松本先生は帰り道の途中の公園で、夜風に当たって酔いを覚ましていた。
「そうかな。
私も誰かに頼りたい時あるけど、そうゆうの苦手なんだよね」
「僕で良かったらいつでも」
「中村くんは私が守ってあげるよ」
「ほんと男前ですね」
松本先生とは冗談も言い合えて、本当に仲の良い姉ちゃんのようだった。
「いつでも泣きに来ていいよ」
松本先生はそう言って俺の頭を撫でた。
照れ臭いのに、何故かすごく安心した。
俺はいつも華の頭を撫でる。
華はいつもこんな気持ちなのか、と思った。