君は生徒、愛してはいけない

久しぶりのおばあさんの手料理は、最高に美味しかった。


「たくさん食べてくれてありがとうね」

おばあさんはお皿を下げながら言った。


「やりますよ、おばあさんは座っててください」

俺はそう言っておばあさんの手からお皿を受け取った。

「そう?ありがとう。
渉くん、もう私に敬語使わなくていいのよ。おばあちゃんって呼んで」


おばあさんの言葉は、このキッチンで華が名前でなんでもいいよと言って来たのを思い出させた。

「華みたいなことを言いますね」

そう言うと華が横からやめてよ、と照れ臭そうに俺の腕を叩いた。

「ふふふ。渉くんはもう家族みたいなもんだから〜」
と、おばあさんは楽しそうにリビングを出て行った。


俺は洗い物をしながら、財布落とすなよ、と小声で隣にいる華に言った。

「、、また拗ねてる」


華は下唇を噛んで嬉しそうにこっちを見ていた。



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