君は生徒、愛してはいけない

華のお父さんはダンディで男らしい人だった。


写真しか見ていないが、男から好かれる男のような、男がなりたい男だったんだろうなと思った。


「僕もこんなに毎日お邪魔して、怒られるでしょうね」

「渉くんは大丈夫よ。誠実だから」


おばあさんが言った。

「息子は若い時からずっと自衛官でね、よく家に仲間を連れて来て華ちゃんも可愛がってたもらってたのよ」


自衛官。

ますます俺の中でお父さんの男らしさが際立った。

「息子が可愛がってよく連れて来てた子、渉くんによく似てるの。
華ちゃんもお兄ちゃんって懐いてたの、
その子なら華をやってもいいなんて言ってたわ」

おばあさんは華が風呂から上がるまで、ずっと笑顔でお父さんの思い出話をしてくれた。


< 163 / 215 >

この作品をシェア

pagetop