君は生徒、愛してはいけない

花火大会


「中村くん、今日終わってから用事ある?」

デスクに向かって仕事をいていると、隣から松本先生が声をかけて来た。


今日は華が花火大会に行くので、おばあさんとご飯を食べに行く約束はしていない。


「いえ、特にないです」

「じゃあ花火行こうよ。
福野くんと香織ちゃんと」

花火って、、
今日華がいくやつ?

「絶対生徒に会っちゃいますよ?」

「会ってもいいじゃん別に。
悪いことしてないし」

「確かに」

「はい、決定ね!嫌がっても連れていくから」


松本先生はそう言ってどこかへ行ってしまった。


もしかしたら浴衣の華が見られるかも知れない、

そう気付いた俺は心なしか仕事終わりの花火大会が少し楽しみになった。
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