君は生徒、愛してはいけない
仕事を終え、4人で学校を出た。


花火大会の会場は学校の最寄駅から俺の家と反対側に2駅だった。


電車に乗ると、もう人がいっぱいだった。


「人多いですね」

「香織ちゃんすぐ居なくなりそうだから、中村くん捕まっとかなきゃだめよ」

俺は電車のドアのすぐ近くに居たので、島田と場所を代わってやった。

「こっち来ていいよ」

「、、ありがとうございます」

相変わらず丁寧な島田は、控えめに礼を行って俺とドアの間に立った。


それを見てにやつく福野。

「島田、赤いぞ」

小声で福野が言うと、島田はそんなことないよとムキになった。


この2人のやり取りは、高校生とあまり変わらない。

いつも生徒をみているような気分になって、なんだか可愛く思える。

< 166 / 215 >

この作品をシェア

pagetop