君は生徒、愛してはいけない
福野は俺よりも先に華を見つけた。

「華ちゃん!可愛い〜!!」


華に向かって歩いていく福野の奥に、浴衣姿の華が見えた。


浴衣を着た華は、誰にも見せたくないほど可愛い。

福野はひとみと森にようと言ってあとは華にべったりだ。

3人は後から来た俺と島田に気付いてあっ、と言った。

「先生、お酒飲んでるの?」

俺が持っていた缶ビールを見て森が言う。

「俺はもう大人だからいいの」

「別に悪いとか言ってないじゃん!
ね、梨花かわいいでしょ?」


森は少し後ろに居た佐藤の肩を掴んで、俺に見せた。


ーーーー華が見ているときに限って、、

でも森ひとみの行動は佐藤を思ってのことだとわかっている。

こいつは本当に友達思いでいいやつだ。


「可愛いよ、森も可愛いよ」

少しでも華の誤解が小さく済むように、俺はそう言った。


佐藤は照れて何も言わなかった。

俺は華を見れなかったが、すぐ横で福野と華が話す声だけが聞こえてきた。
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