君は生徒、愛してはいけない
4人で花火を見て、酒を飲んで、帰りの電車に乗った。
俺は福野が言った本気、と言う言葉に終始振り回されていた。
福野は俺たちとは反対方向の電車に乗ってひとりで帰って行った。
松本先生が今日はひとりで帰ると言うので、そのまま電車を降りず島田と2人になった。
「楽しかったですね」
「迷子にならなくてよかったな」
「、、答えになってないです」
真面目な島田の反応がおもしろくて、いつもついからかってしまう。
「中村先生は、、
その、、、彼女とか居るんですか?」
島田の問いかけにすぐに華の顔が浮かんだが、
俺は華のなんでもない。
俺に彼女と呼べる存在の人はーーーー
「居ないよ」
花火大会の帰りの電車は、行きよりも人が多かった。
帰りは最初から島田をドア側に立たせた。
島田は俺とドアの間で、まっすぐ俺を見ながらこう言った。
「、、私、中村先生が好きです」