君は生徒、愛してはいけない
第7章 卒業


2月。

華の就職先が決まって、おばあさんと3人で内定祝いをした。


晩御飯はやっぱりハンバーグだ。

俺たち3人の中で、ハンバーグは幸せな、めでたい味になっていた。


華は最初病院の看護助手を狙っていたが、
結局近くの歯医者で助手の仕事をすることになった。


病院は夜勤があっておばあさんと俺と一緒にご飯を食べられないから、らしい。


こんなに可愛い子が居たら、歯医者も患者が増えて仕方ないだろう。


福野が歯の治療に来たら違う子に担当させろと華に忠告しておいた。


華はふふ、といつも通り天使のような笑顔で笑っていた。




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3月。


もうすぐ華は卒業する。

学校で会えなくなるのが寂しかったが、4月からは一緒に住もうと考えていた。


卒業が待ち遠しいのか、卒業して欲しくないのか、自分でもよくわからなかった。


福野は相変わらず華に言い寄っていたが、もうどうでもよかった。


島田は随分力が抜けて、去年とは見違えるほどの教師になった。
俺のことはまだ好きだ、と松本先生に言っていたらしいが、なにも言ってこないので俺もなにも言わない。


でも関係は普通に話せるまで回復した。


松本先生は相変わらず持ち前のリーダーシップで俺たちをまとめてくれる。
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