君は生徒、愛してはいけない
教室に戻って生徒たちと最後のHRを行なった。
島田は俺の隣で喋れないほど泣いている。
「春からみんな大学生になったり働いたり、、、
まあもう一回高校生をするやつも中にはいるけど」
泣いている生徒たちに少し笑いが起こる。
「でも俺はずっとみんなの先生でいようと思ってます。
悩み事があったらいつでも学校に来い!
ハタチになったらみんな飲みに連れてってやるからな。
俺もみんなのおかげで少しは教師っぽくなれたかなと思います。
みんなありが、、」
最後に生徒たちに感謝を言おうとしたが、感情が溢れて最後まで言えなかった。
『先生泣かないで』
『また会いに来る』
みんなそう言ってくれた。
島田が泣きながら一生懸命挨拶して、またつられて泣いてしまう。
俺こんなに涙もろかったっけ。
「はい、じゃあ解散」
泣き笑いながらそう言うと、生徒たちが教壇に集まってきてみんなで集合写真を撮った。
泣きながら帰る生徒たちを教室のドアで送り出す。
「先生」
佐藤が目を赤くして俺の前に立っていた。
「先生、ごめんね。ありがとね。
優しくしてくれて嬉しかった」
「おう。俺もありがとな」
そう言ってまた泣き出す佐藤の頭に手を置くと、佐藤は俺の目を見て笑顔でバイバイ、と言って帰って行った。