君は生徒、愛してはいけない
「先生おかえり、泣いてたでしょ」
「いきなりそれかよ。泣いてない。ただいま」
ドアを開けると走って玄関まで出迎えてくれた華は、出会い頭にいたずらっぽい顔でそう言った。
「渉くんはほんとにいい先生だねぇ。
華ちゃんしっかり捕まえておかないと来年危ないかもね〜ふふふふ」
おばあさんが夕飯の支度をしながら華とそっくりないたずら顔で笑いながら言うと、なによ、と言って口を尖らせて俺を見る華。
卒業しても毎日これがあるなら頑張れる。
3人で夜中まで華の卒業祝いをして、
今日買った華への指輪が入ったかばんを大事に持って、自宅に帰った。