君は生徒、愛してはいけない


今日は店に行くのが少し遅くなって、ウィスキーを1杯だけ飲んで帰った。


いつもの帰り道。

もう夏が来て、夜は涼しくて気持ちがいい。



「お前テスト白紙で出しただろ」

「、、ごめんなさい。名前書いて寝ちゃってた」

青山はいたずらっ子のような顔をして謝った。


「夜遅くまで働いてるからだぞ。
酒も飲むなよ、そもそも未成年だし。
いつまで働くつもり?」


「、、、いつまでかなぁ」




青山がいつもと違うような気がした。


「ーーーーなんかあった?どした?」

青山の顔を覗き込むと、彼女は泣いていた。


初めて見た青山の涙は、ガラスみたいに綺麗で触りたくなった。

< 22 / 215 >

この作品をシェア

pagetop