君は生徒、愛してはいけない

夜の公園で俺にSOSを出した青山の話を
俺は隣でずっと静かに聞いた。


小さい時からお母さんがいないこと。

去年、お父さんが死んだこと。

おばあちゃんとふたりで住んでいること。

お父さんが死んだ時、働こうと決めたこと。

学校もやめようと思ったこと。

友達もいつか居なくなるからいらないと思ったこと。

お父さんが高校は卒業しろと口癖のように言ってたから迷ってること。

学校をやめたらおばあちゃんが気を使うこと。

そして、おばあちゃんはお父さんが死ぬ前から体が悪いことーーーー


「おばあちゃんが居なくなったら

あたしひとりぼっちになっちゃう」



泣きながらそう訴えた青山の心は、俺が思っていたよりもはるかにボロボロになったあとだった。

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