君は生徒、愛してはいけない

始業式の夜




始業式が終わり、生徒がみんな帰ったあと
職員室でこれからについての会議があった。


今日は仕事が終わったら大学時代の友達で、
近くの高校で教師をしている哲平(テッペイ)が初担任と俺の誕生日を祝ってくれるらしい。


って言っても、男ふたりで飲みにいくだけだけど。


「じゃ、会議はこれで終わりにしましょうか」


「中村くん、初担任頑張ってね!」

4組の担任、松本先生が俺の肩を叩いて言った。

「ありがとうございます、頑張ります!」


彼女は俺より2歳年上で、男子からも女子からも好かれる姉御肌な先生だ。

この人が隣のクラスなのは心強い。


「お疲れ様でした」

俺は学校をあとにして、哲平との待ち合わせ場所に向かった。
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