君は生徒、愛してはいけない
「、、、先生」
「、、どした」
「あたし、、華って言うの」
突然なにを言い出すのかと思った。
「知ってるよ」
「、、、華って呼んでいいよ」
後ろから聞こえてくる彼女の不器用な言葉が、この上なくいじらしくて、愛らしくて、たまらなかった。
「華、お皿出して」
「、、ありがと」
彼女が消えそうな声でそう呟いて、俺の背中から離れたのを感じた直後、
急になんとも言えない感情に押しつぶされそうになった。
ーーーこれがなんなのかを理解するまでに、俺はずいぶんと長い時間がかかった。