君は生徒、愛してはいけない

お兄ちゃん



「先生はなんでそんなにあたしに構ってくれるの」

華は洗い物をしながら振り返らずに言った。

「おばあちゃんが言ってたよ、お兄ちゃんが出来たみたいねって。
孫が増えたみたいで嬉しいって。」



華の口から聞いたおばあさんの言葉は、とても嬉しくて俺も同じように思っていた。

おばあさんのことを、いつからか自分のばあちゃんのように思っていた。



ーーーーでも、

お兄ちゃんと言う言葉には少しだけ違和感があった。


それがなんなのかは自分でもよくわからないけど。



「、、あたしもお兄ちゃんが出来たみたいで嬉しい」


洗い物を終えた華は、少し前までの冷たい顔とはまるで別人のように、可愛すぎる笑顔でこっちを見ていた。


何かスッキリしなかったが、理由もわからないので俺はそっか、それはよかった、とだけ言った。


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