君は生徒、愛してはいけない

さっきの哲平の言葉が頭をぐるぐる回る。


気が付いたら俺は店の前に居た。

「帰ろっ」

華はいつもより少し上機嫌で俺の隣を歩く。


「先生、明日は学校いくの?」

明日は土曜日だ。

「うーん、別に行かなくてもいい」

「じゃあさ、、」

華は少しためらってから言った。

「今から先生のお家行きたい」


、、なんだと?

「いいでしょ?だめ?」


下から覗き込んでくる可愛い華の問いに答えるのに少し時間がかかった。


「、、、店辞めたらな。」

「お店は今日が最後だよ」

「え?ほんとに?」

「うん。先生とおばあちゃんが心配するから。
じゃあ行ってもいい?」

「、、いや、それでもだめ!だめだめ!」

「なんでよ。
ずっとあたしの家でご飯食べてるくせに」

「、、それはそうだけど」

「じゃあいい?やった」

返事を待たずに喜ぶ華を見て、俺は言葉が出なかった。


ーーーとんでもないことになってしまった。



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