君は生徒、愛してはいけない
結局、帰る途中で華は荷物をとって、俺の家までついてきた。
俺は歩きながらひたすら考えた。
ここに引っ越してから、女の子なんか一度も入れたことがない。
ましてや自分のクラスの生徒、、
俺は教師だ、こいつの担任だ、でも俺も男だ。
俺の思考などお構いなしに華は部屋に上がってきた。
「なんだ、思ってたよりキレイ」
「誰の部屋だと思ってんだよ」
「ふふ、お風呂はいっていい?」
華は嬉しそうに風呂を探した。
「覗かないでね、お兄ちゃん」
いたずらっ子のような顔をして言ってくる。
「頼まれても覗かない。
お兄ちゃんじゃない。
早く入りなさい」
華はつまんないの、と言いたそうに風呂に入った。
華が風呂から上がってくるまで、俺はとりあえず何かしてないと落ち着かなかった。
洗濯物を入れて畳んで、りんごを剥いてテーブルに出した。
「先生、ドライヤーどこ?」
俺はドライヤーを華に渡して、
「りんご食っとけ」
と言って風呂に入った。